希望サイズの電光表示板バブル崩壊で独自開発

2001年6月6日 中国新聞朝刊1面

七年前、電光表示システムの開発を始めた。バブルがはじけてからのスタートである。
間もなく、自分の会社が製作した表示板が流すお知らせや広告を、街中や店先で見かけるようになった。
 「いらっしゃいませ」「営業時間は・・・」「ニュース速報」―。
  「思ったら、すぐに開発に取り組めるのが中小企業の強み。」 府中市篠根町の看板製作メーカー「タテイシ広美社」の社長、立石克昭さんはそう語る。
画面に映し出す文字や絵、表示時間などのデータをパソコンに入力。そのデータを電光表示パネルの裏につけた制御装置に送信する。すると、決めた時間に情報や絵を映し出すのが「電光表示システム」である。
パネルには昼でも見えやすい発光ダイオードを使う。
大手電器メーカーはタイプを決めて生産する。1台ずつ要望に合わせていたら、コストがかかりすぎるからだ。
タテイシ広美社は7年前まで、メーカーの販売代理店だった。
客から、細かい要望が出ると、仕方なく受注を断ることもあった。
 「ならば、うちで作ったら」。社内外からプログラマーや電子部品製造に詳しいスタッフを集めた。
9ヵ月後、希望サイズの表示パネルと制御装置をセットにした電光表示システム「ハロービジョン」を開発した。
立石さんは大阪の看板屋に勤め、24年前にUターンして会社を起こした。
右肩上がりだったが、バブル崩壊で売上が30%落ちた。
「同じ仕事を続けていたら、会社は持たない」。危機感が転機となった。
昨年9月、PHSでデータを送受信できる電光表示システムを開発。
電波で多くの情報を速く送れるようになった。低コストなのも評判を呼び、北海道から沖縄まで350ヶ所に設置。
広島市民病院や岡山県庁などの中四国の自治体にも採用されている。
 「看板をかくことだけは、機械にとってかわられることはないと思っていたのに」と笑う立石さん。