日本経済新聞「中四国 企業・事業所 going」に掲載されました

 

【日本経済新聞 2018年12月4日掲載記事】

 

 

 

「看板屋」2代目が枠破る タテイシ広美社
交通・防災システム開拓

 

 屋内外看板・広告のタテイシ広美社(広島県府中市)は東京五輪需要を確かな技術力で獲得、業績を伸ばしている。従来の「看板屋」の枠を超え、交通・防災システムの再構築に乗り出したり、大手も見込む開発力で国内初の商品を生み出したり。「地方企業にもハンディはない」(立石良典社長)と“ファーストペンギン”であり続ける。

 

電子看板に商機
 「五輪開催まであと○日」と表示するデイカウンターの受注が好調だ。昨年の1千日前や今年の2年前イベントで注文が殺到。今後も節目ごとに再び盛り上がりそうだ。

 主力のデジタルサイネージ(電子看板)にはインターネットで全国から問い合わせが舞い込む。「田舎の企業でもネットがあれば顧客との距離は近い」。安全・便利な街づくりを目指す各地の防災・交通情報の掲示板として需要を広げている。

一例が、産業技術総合研究所(産総研)が10月に茨城県日立市で行った自動運転バスの実証実験だ。停留所に置いた電子看板はバスの接近情報などを随時表示、QRコードでバス料金をスマホ決済する課金システムも盛り込んだ。

自動運転はともかく、電子看板はすでに実用可能で「備後地区のバス会社も導入を検討している」という。

防災用途では、東京都港区にバッテリーで72時間稼働する電子看板を納入した。停電しても、人命を担保できるとされる72時間は多言語で災害や避難の情報を掲示する。

 NEXCO西日本の高速道に200メートルおきに設置された非常用電話表示板。これに使われた発光ダイオード(LED)ライトパネルの技術を応用した新製品が、光源間隔が1.5ミリメートルと非常に狭い超高精細LEDビジョンだ。

カラー技術に優れた凸版印刷と組み、8K映像を表示できる商品を開発した。年明け早々にも約20メートル×6メートルと屋内では日本最大級となる超高精細LEDビジョンが西日本にお目見えする。

 

五輪通じ海外へ
 社員の平均年齢は30代前半と若く「大規模展示会など最先端に触れる機会があれば積極的に足を運ぶ」。こうした貪欲なチャレンジ精神が数々の商品を生み出してきた。

創業者の父から経営を引き継いだ立石社長のモットーも「ファーストペンギンたれ」。群れから最初に飛び出すペンギンは、リスクもあるが大きな収穫を得る可能性もある。「2代目はとかく尻込みしがちだが、多くの創業者がそうだったようにファーストペンギンであり続けたい」という。

先日、タイ・バンコクの大型商業施設にLEDビジョンの導入が決まった。「五輪は日本がショーケースになる。世界中の人が、日本で出会ったものを自国にも導入しようと考える」。今後は海外展開も積極化する。